要介護認定の結果が「要支援1」や「要支援2」だったとき、「訪問介護は使えないの?」と不安になる方もいるかもしれません。結論から言うと、要支援の方も、自宅に訪問して家事などを手伝ってもらうサービスを利用できます。
ただし、要介護の方が使う「訪問介護」とは制度のしくみが異なり、「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」の訪問型サービスとして提供されます。この記事では、その違いと使い方をわかりやすく解説します。
総合事業とは
総合事業は、市区町村が中心となって行う事業で、要支援の方や、介護が必要になるおそれのある方が、住み慣れた地域で自立した生活を続けられるよう支援するためのものです。
以前は要支援の方も全国一律の「介護予防訪問介護」を利用していましたが、現在は市区町村ごとの総合事業に移行しています。そのため、サービスの種類や名前、費用は住んでいる市区町村によって異なります。
要介護の「訪問介護」との違い

主な違いは、計画を立てる担当者と、サービスの内容・費用の決まり方です。要介護の方はケアマネジャーがケアプランを作りますが、要支援の方は主に地域包括支援センターが中心となって計画を立てます(居宅介護支援事業所に委託される場合もあります)。
要介護の方の訪問介護の費用については訪問介護の費用はいくら?で解説しています。
利用できる人
- 要支援1・2の認定を受けた方
- 事業対象者:要介護認定を受けていなくても、「基本チェックリスト」という質問票で生活機能の低下が見られると判断された方
基本チェックリストは、地域包括支援センターなどで受けることができます。要介護認定より手続きが簡単なため、早めにサービスにつながりやすいのが特徴です。ただし、どちらで進めるのがよいかは状況によるため、窓口で相談しましょう。
訪問型サービスの主な種類
市区町村によって異なりますが、一般的には次のような種類があります。
- 従来の訪問介護に相当するサービス:訪問介護事業所のヘルパーが、身体介護や生活援助を行うもの
- 基準を緩和したサービス:一定の研修を受けた人などが、掃除や買い物などの生活援助を中心に行うもの
- 住民主体のサービス:地域のボランティアなどが、ちょっとした生活の困りごとを手伝うもの
- 短期集中型のサービス:専門職が短期間集中的にかかわり、生活機能の改善を目指すもの
利用の流れ
- 地域包括支援センターに相談する
- 要支援認定を受ける、または基本チェックリストを受ける
- 地域包括支援センターなどと一緒に、目標やプランを決める
- サービス事業者と契約し、利用を始める
全体的な手続きの流れは、要介護の場合と共通する部分も多いです。「どこに相談すればいいかわからない」という場合も、まずは地域包括支援センターに連絡すれば大丈夫です。
要支援の訪問型サービスと要介護の訪問介護、違い早見表
| 比較項目 | 要支援(総合事業の訪問型サービス) | 要介護(訪問介護) |
|---|---|---|
| 計画を立てる人 | 主に地域包括支援センター | ケアマネジャー |
| サービス内容・費用 | 市区町村ごとに異なる | 全国共通の基準 |
| 利用できる人 | 要支援1・2、事業対象者 | 要介護1〜5 |
| サービスの担い手 | 専門職に加え、住民主体の支援団体なども | 訪問介護事業所のヘルパー |
同じ「訪問による支援」でも、制度上の位置づけが異なります。迷ったときは、まず地域包括支援センターに相談すれば、該当する制度を案内してもらえます。
費用の考え方
訪問型サービスの費用は、市区町村が決めた単価をもとに計算されます。1か月あたりの定額になっている場合や、1回ごとに計算される場合があり、介護保険の負担割合(1割・2割・3割)に応じて自己負担額が決まります。
住民主体のサービスなどは、利用料が別に設定されていることもあります。具体的な金額は、地域包括支援センターや市区町村の窓口で確認しましょう。
よくある質問
Q. 要支援から要介護に変わったらどうなりますか?
A. 要介護の認定を受けると、介護給付の訪問介護を利用することになり、ケアマネジャーが計画を担当します。状態が変わったと感じたら、認定の区分変更を申請できるので、地域包括支援センターに相談しましょう。
Q. 同居家族がいると使えませんか?
A. 生活援助については、同居家族がいる場合の考え方に注意が必要です。詳しくは同居家族がいると訪問介護の生活援助は使えない?をご覧ください。
Q. 総合事業のサービスは介護保険の「訪問介護」より質が低いということはありますか?
A. 必ずしもそうではありません。専門職が担当する場合もあれば、住民主体の支援団体が担う場合もあり、内容は市区町村や提供団体によって異なります。気になる場合は、どのような担い手が対応するか、地域包括支援センターに事前に確認しておくと安心です。
Q. 要支援の認定が出る前から相談してもいいですか?
A. はい。要介護認定の結果を待たずに、心配な様子があれば地域包括支援センターに相談できます。基本チェックリストを使って、認定を待たずにサービスにつながれる場合もあります。
まとめ
- 要支援1・2の方も、総合事業の「訪問型サービス」で訪問による支援を受けられる
- サービスの種類や費用は市区町村ごとに異なる
- 基本チェックリストで「事業対象者」になれば、要介護認定なしで利用できる場合もある
- 相談先は地域包括支援センター
要支援の段階から適切なサービスを使うことで、できることを長く続けやすくなります。気になることがあれば、早めに地域包括支援センターに相談してみてください。
※制度の内容は改定されることがあります。最新の情報は、お住まいの市区町村で確認してください。


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