介護休業と介護休暇の違いは?働きながら親を介護するための制度

介護休業と介護休暇の違いは?働きながら親を介護するための制度 家族の悩み・体験談

親の介護が必要になったとき、働きながらどう時間をつくるかは大きな悩みです。会社員であれば、法律で定められた「介護休業」と「介護休暇」を使うことができます。名前は似ていますが、使い方や日数、給付金の有無が異なります。この記事では、2つの制度の違いと使い分け、あわせて知っておきたい働き方の制度を整理します。

※2026年9月時点の情報です。勤務先によっては、法律を上回る独自の制度を設けている場合もあるため、就業規則や人事担当者にも確認しましょう。

介護休業と介護休暇の違い

介護休業と介護休暇の違いの比較
介護休業 介護休暇
目的 介護の体制を整えるための、まとまった休み 通院の付き添いなど、短期的な用事のための休み
日数 対象家族1人につき通算93日まで 年5日(対象家族が2人以上なら年10日)
取り方 3回まで分割して取得できる 1日単位または時間単位
申し出 原則として休業開始予定日の2週間前まで 当日の申し出も可能な場合がある
お金 条件を満たせば雇用保険の介護休業給付金(休業前賃金の67%) 法律上の給付金はない(有給か無給かは会社による)

対象となる家族は、配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。

介護休業は「介護の体制づくり」に使う

介護休業の93日は、自分がずっと介護をするための期間というより、介護が必要になった親の生活を支える体制を整えるための期間と考えるとよいでしょう。たとえば、次のようなことに使えます。

  • 要介護認定の申請や、ケアマネジャーとの打ち合わせ
  • 訪問介護や訪問歯科など、サービスの手配と利用開始の立ち会い
  • 退院直後など、状態が不安定な時期のサポート
  • 施設の見学や入居の準備

要介護認定の申請の流れは要介護認定の申請方法と流れ、ケアプランについては訪問介護のケアプランの作り方とケアマネジャーの役割で解説しています。

介護休暇は「スポットの用事」に使う

介護休暇は、通院の付き添い、ケアマネジャーとの面談、役所での手続きなど、短時間で済む用事に向いています。時間単位で取れるため、「午前中だけ休んで通院に付き添う」といった使い方ができます。

2025年4月からの主な改正点

  • 入社6か月未満の人を労使協定で介護休暇の対象外にできる仕組みが廃止され、入社して間もない人も介護休暇を取りやすくなりました。
  • 会社には、介護に直面したことを申し出た従業員に対して、制度を個別に知らせ、利用の意向を確認することが義務づけられました。
  • 40歳前後の従業員などに、介護に関する制度の情報を提供することも会社に求められるようになりました。

介護が始まりそうなときは、早めに会社に相談すると、利用できる制度を案内してもらえます。

ほかにも使える働き方の制度

  • 短時間勤務などの措置:会社は、介護をする従業員のために、短時間勤務やフレックスタイムなどのいずれかの措置を設けることになっています。
  • 所定外労働(残業)の制限:申し出により、残業の免除を受けられます。
  • テレワーク:介護をする従業員がテレワークを選べるようにすることが、会社の努力義務になっています。

遠方に住む親の介護にも

親が遠方に住んでいる場合、介護休暇を帰省時の手続きや面談にあてる方法もあります。遠距離介護での訪問系サービスの活用法は遠方に住む親の介護、訪問系サービスをどう活用する?で紹介しています。

介護休業と介護休暇、比較早見表

どちらを使えばよいか迷ったときのために、主な違いを表にまとめました。

項目 介護休業 介護休暇
取得できる日数 対象家族1人につき通算93日まで 対象家族1人につき年5日まで(2人以上で年10日まで)
分割取得 3回まで分割可能 1日単位・時間単位で取得可能
給付金 雇用保険から介護休業給付金あり(要件あり) 給付金制度はなし(会社により有給の場合も)
向いている場面 施設探し・在宅介護の体制づくりなど、まとまった準備期間が必要なとき 通院の付き添い、ケアマネジャーとの打ち合わせなど、単発の用事があるとき
申請先 勤務先(書面での申出が原則) 勤務先(口頭でも可とされる場合が多い)

まとまった準備期間には介護休業、通院同行や急な用事には介護休暇、というように使い分けるのが基本的な考え方です。

よくある質問

Q. パートや契約社員でも取れますか?

A. 雇用形態に関わらず、条件を満たせば取得できます。ただし、有期契約の方は、介護休業の取得にあたって契約期間に関する条件があります。勤務先に確認しましょう。

Q. 介護休業給付金はどこに申請しますか?

A. 原則として会社を通じてハローワークに申請します。支給には雇用保険の加入期間などの条件があるため、人事担当者に確認しましょう。

Q. 有給休暇と介護休暇、どちらを優先して使うべきですか?

決まりはなく、会社の制度や本人の状況によります。介護休暇は年5日(対象家族2人以上で10日)までと上限があるため、通院同行など介護休暇の対象になる用事にはまず介護休暇を使い、それ以外の私用には有給休暇を使うという考え方もあります。迷ったときは勤務先の人事担当に相談しましょう。

Q. 会社に介護休業の取得を断られたら、どうすればよいですか?

介護休業は法律で定められた労働者の権利であり、要件を満たしていれば会社は原則として拒否できません。取得を拒まれた場合は、会社の相談窓口のほか、各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談する方法があります。

まとめ

  • 介護休業は通算93日・3回まで分割でき、介護の体制づくりに使う。条件を満たせば給付金(賃金の67%)がある
  • 介護休暇は年5日(2人以上なら10日)で、時間単位でも取れる。通院の付き添いなどに便利
  • 2025年4月から、会社による個別の周知・意向確認などが義務化された
  • 一人で抱え込まず、会社とケアマネジャーの両方に早めに相談する

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