「自宅や施設での歯科治療は、痛みがあっても我慢させられるのでは」と心配する声を聞くことがあります。
結論から言うと、訪問歯科でも外来と同じように局所麻酔を使った治療が可能です。痛みを我慢させたまま治療を進めることはなく、本人の様子を見ながら声をかけ、必要に応じて休憩を挟むといった配慮が行われます。できる治療・できない治療の範囲については訪問歯科で対応できる治療・できない治療の違いで詳しく解説しています。
訪問歯科での痛みへの配慮
- 麻酔の使用:抜歯や歯肉の処置など、痛みを伴う可能性がある治療では、外来と同様に局所麻酔を使用します。
- 声かけをしながら進める:「今から少し触れますね」「痛みがあれば手を挙げてください」など、本人の反応を確認しながら治療を進めます。
- 体調・表情の確認:高齢の方や持病がある方には、顔色や呼吸の様子を見ながら、無理のないペースで治療を行います。
- 休憩を挟む:長時間同じ姿勢が負担になる場合は、途中で休憩を取りながら進めることもあります。
訪問歯科と外来歯科の痛み対応の比較早見表
| 項目 | 訪問歯科 | 外来の歯科医院 |
|---|---|---|
| 使用できる麻酔 | 局所麻酔(外来と同様) | 局所麻酔 |
| 治療のペース | 本人の体調に合わせて調整しやすい | 診療時間内で進行することが多い |
| 休憩の取りやすさ | 必要に応じて都度調整しやすい | 混雑状況によっては調整が難しい場合も |
| 家族・介護職員の同席 | 自宅や施設でそのまま同席しやすい | 待合スペースでの待機が中心 |
認知症があり、うまく症状を伝えられない場合
本人がうまく痛みを伝えられない場合は、表情やしぐさの変化から読み取ったり、家族や介護職員から普段の様子を聞いたりしながら、治療方針を判断します。訪問歯科の治療の流れ全体については訪問歯科の1回あたりの流れ・所要時間もあわせてご覧ください。気になる点は、治療の前に歯科医師やスタッフに率直に伝えておくと、当日の対応がスムーズになります。
ご家族が付き添うときにできること
- 普段の様子を事前に伝える:痛みの訴え方の癖や、嫌がるときのしぐさなど、本人をよく知る家族からの情報は、歯科医師が安全に治療を進めるうえで役立ちます。
- 近くで声をかける:見慣れた家族が近くにいて声をかけるだけでも、本人の不安がやわらぐことがあります。
- 気になる反応は遠慮なく伝える:治療中に表情が変わった、いつもと違う様子があったと感じたら、遠慮せずスタッフに伝えましょう。
治療に備えて準備しておくと安心なもの
| 準備するもの | 役立つ理由 |
|---|---|
| お薬手帳 | 痛み止めなど薬の飲み合わせを歯科医師が確認できる |
| 既往症・アレルギーのメモ | 麻酔の可否や治療方針を判断する材料になる |
| 普段の痛みの訴え方のメモ | 家族が不在のときでもスタッフが本人のサインに気づきやすくなる |
| かかりつけ医の連絡先 | 体調急変時など、連携が必要になった場合に備えられる |
これらは必須ではありませんが、事前に準備しておくと初回の訪問時にもスムーズにやり取りができます。気になることがあれば、訪問前の電話や初回の面談で遠慮なく伝えておきましょう。
よくある質問
Q. 認知症があっても麻酔を使った治療はできますか?
A. 本人の状態や治療内容によって判断されます。安全に治療を行えるかどうかは個々の状況によるため、事前に歯科医師に相談し、無理のない範囲で進めてもらいましょう。
Q. 治療中に本人が痛がっていたら、途中で中止してもらえますか?
A. 多くの場合、無理に治療を続けることはせず、いったん中断して様子を見るなどの対応が取られます。心配な場合は、事前に歯科医師やスタッフに希望を伝えておくとよいでしょう。
Q. 治療中に暴れてしまう・体が動いてしまう場合はどうなりますか?
A. 無理に治療を続けることはせず、タイミングを変えたり、短い時間に区切って進めたりするなど、本人の状態に合わせた対応が検討されます。事前に歯科医師やスタッフに相談しておきましょう。
Q. 痛み止めは処方してもらえますか?
A. 治療内容によっては、痛み止めが処方される場合があります。体質や服用中の薬との飲み合わせに関わることもあるため、お薬手帳を用意し、歯科医師に確認してもらいましょう。


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