床ずれ(褥瘡)を防ぐ体位変換の方法|訪問看護・訪問介護でできるケアも紹介

床ずれ(褥瘡)を防ぐ体位変換の方法|訪問看護・訪問介護でできるケアも紹介 基礎知識・サービス内容

寝ている時間が長くなった親について、「同じ姿勢が続いて床ずれ(褥瘡)ができないか心配」という声をよく聞きます。

床ずれは、同じ部位が長時間圧迫されることで血流が悪くなり、皮膚や皮下組織がダメージを受けることで起こります。予防の基本は体位変換(姿勢を変えること)と、皮膚の状態をこまめに観察することです。すでに赤みやただれが出ている場合は自己判断でケアを続けず、早めに医師や訪問看護に相談しましょう。

この記事では、家庭でできる体位変換の基本と、訪問看護・訪問介護に相談できることをわかりやすく解説します。

床ずれができやすい部位と初期サイン

  • 仰向けで寝ている時間が長い場合:仙骨部(お尻の中心)、かかと、肩甲骨まわり
  • 横向きで寝ている時間が長い場合:腰骨(大転子部)、くるぶし、耳
  • 初期サイン:皮膚の赤み(指で押しても赤みが消えない)、熱っぽさ、皮膚の硬さやてり

赤みが続く、皮膚が破れている、水ぶくれがあるといった状態が見られたら、自己処置を続けず訪問介護の担当者や訪問看護師、かかりつけ医に早めに相談してください。

自宅でできる体位変換の基本

  • 目安は2時間おき:自力で寝返りが難しい場合、一般的に2時間を目安に体の向きを変えます(状態によって頻度は異なるため、医療職の指示があればそれに従ってください)。
  • クッションや枕を活用:背中・腰・膝のすき間にクッションを入れて圧を分散させます。
  • 無理に引きずらない:体を引きずると皮膚がこすれて傷つきやすくなるため、体を支えながら「転がす」ように向きを変えます。
  • 栄養と水分:皮膚の健康を保つには、食事・水分量も関係します。食欲低下が続く場合は早めに相談を。

体位変換の具体的なコツや介助の負担軽減については、訪問介護の身体介護サービスの中で、ヘルパーから指導を受けられることもあります。

体位ごとの角度の目安とポイント

体位変換の角度は体格や状態によって異なりますが、一般的な目安は次のとおりです。あくまで目安であり、訪問看護師や医師から具体的な指示がある場合はそちらを優先してください。

体位 角度の目安 圧がかかりやすい部位 ポイント
仰臥位(仰向け) 真上向き、または15〜30度の側方への傾き 仙骨部・かかと・肩甲骨 真上向きのままより少し傾けると圧が分散しやすいとされる
側臥位(横向き) 約30度 腰骨(大転子部)・くるぶし・耳 90度の真横向きは一点に荷重が集中しやすいため避けることが多い
半座位(ギャッジアップ) 30度未満を目安とすることが多い 仙骨部・尾骨部 角度を上げすぎるとずれ力(摩擦)が生じやすい

訪問看護・訪問介護に相談できること

床ずれの予防・処置は家族だけで抱え込まず、専門職に相談することが大切です。訪問看護では、皮膚の状態の観察や処置、体位変換の指導を受けられます。訪問介護でも、体位変換を含む身体介護を利用限度額の範囲で依頼できます。利用できるサービスの範囲は要介護度によって異なるため、詳しくは要介護度別の利用限度額もあわせてご確認ください。

体位変換がつらい・一人で難しいときは

体格差があったり、介助者が一人だったりすると、体位変換自体が大きな負担になることがあります。無理に一人で抱えようとせず、次のような工夫や相談先も検討してみてください。

  • スライディングシートの活用:体を滑らせるように動かせる介護用品で、介助者の腰への負担を減らせます。介護保険の福祉用具として対象になる場合もあります。
  • 訪問介護・訪問看護への相談:体位変換を含む身体介護は、訪問介護や訪問看護で定期的に依頼することもできます。家族だけで抱え込まず、サービスの利用を検討しましょう。
  • 介助者自身の体も大切に:無理な姿勢での介助は、介助する側の腰痛にもつながります。福祉用具の活用や専門職への相談は、介護を受ける本人だけでなく介助者を守ることにもつながります。

よくある質問

Q. マットレスを変えるだけで床ずれは防げますか?

A. 体圧分散マットレスは予防に役立ちますが、それだけで十分とは限りません。体位変換や皮膚の観察とあわせて行うことが大切です。介護保険でレンタルできる福祉用具もあるため、ケアマネジャーに相談してみましょう。

Q. 床ずれができてしまったら、まず誰に相談すればいいですか?

A. かかりつけ医か訪問看護師に早めに相談してください。処置が必要な場合もあるため、自己判断で様子を見続けないようにしましょう。

Q. 体位変換は何度くらい体を傾ければよいですか?

A. 一般的には30度程度傾ける方法がよく紹介されますが、適切な角度は体格や皮膚の状態によって異なります。自己判断で決めず、訪問看護師や医師の指示がある場合はそれに従いましょう。

Q. 体位変換用のクッションや体圧分散マットレスは介護保険でレンタルできますか?

A. 要介護度や品目によっては、介護保険の福祉用具貸与の対象になる場合があります。対象になるかはケアマネジャーに確認し、必要に応じてレンタルを依頼するとよいでしょう。

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